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「生物の形作り」は、人の身体の発生や疾患などの様々な生命現象に関わるため、基礎生物学から医学、医療まで、幅広い分野にとって重要です。特に、生物の形作りの基礎となる「多細胞ダイナミクス」を理解し、試験管内や体内で操作することは、今後の再生医療やがん治療に役立つと考えられます。しかし、身体の形作りには、多数の細胞間に様々な相互作用が働くため、これまでの分子生物学的・実験生物学的な方法論だけでは、その仕組みを理解することが困難です。そこで私たちの研究室は、計算機使ったシミュレーションと幹細胞の三次元組織培養などの技術を開発し、これらを融合することにより、生物の形作りに関する新しい機構や原理の解明を目指しています。

胚発生・がん疾患に関わる
多細胞ダイナミクス

多細胞ダイナミクスは、胚発生、がん疾患、創傷治癒、代謝など、様々な生命現象に見られます。これらの原因となる遺伝子やタンパク質はそれぞれ異なりますが、一方で、これらには共通した性質や振る舞いが見られます。この多細胞ダイナミクスを支配する原理とはどのようなものでしょうか?

生物学・物理学・工学を融合した
新しい研究アプローチ

生物の形作りでは、1つ1つの細胞が多種多様な方法で相互に作用します。この複雑な現象を理解するため、多細胞の動態を予測する計算機シミュレーションや胚組織を試験管内で再現する幹細胞オルガノイドなど、生物学、物理学、工学などの技術を融合した新規アプローチの開拓に取り組んでいます。

分子・細胞・組織をつなぐ
包括的な予測と理解

私たちの研究アプローチは、分子・細胞レベルに見られるミクロな振る舞いを統合して、組織・器官レベルのマクロな形作りをボトムアップに理解し予測するものです。これにより、幅広いスケールに渡る多細胞の振る舞いを1つのシステムとして捉えた、包括的な理解や人為的な操作を目指しています。

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